従業員アンケート

仕事は個の力の結晶

働く人が幸せになれて、お客様から支持されて、永続する組織にするための「要」となるのは、そこで働く人、一人ひとりの力です。 誰かひとりの力だけでこの変化の激しい時代の荒波を乗り越えていくのは至難の業です。そもそも、すべての仕事を自分一人でしているわけではないはずです。

社員、パート、アルバイトなど、そこで働いてくれる人の力を借りることで初めて、商品やサービスをお客様に届けることができているのではないでしょうか。

だとすれば、働く人、一人ひとりが力を発揮してくれなければ、仕事自体が成り立たなくなってしまうのは明らかです。

 

たとえばサッカーの試合は監督一人ではできません。11人の選手がいて初めて成り立ちます。

また、たとえ11人いたとしても、一歩も動こうとせず、自分の目の前に来たボールしか蹴らない選手だったとしたら、それで試合に勝てるでしょうか?

 

仕事ができない組織がお客様に支持されるわけもなく、お客様に支持されない組織は永続など望めません。

ですから、組織永続の根源は、そこで働く人、一人ひとりの力にあります。個々の力を活かし、皆で力を合わせて共に未来へ向かって歩んでいけるような体制づくりが不可欠です。

 

 

働く人の気持ちを知っていますか?

ではその体制をつくるには、何をどうすればいいのでしょうか。何から手を付けたらいいのかわからない。と思われている方も多いのではないでしょうか。

 

まず大切なのは働く人々の気持ちを知ることです。現状を知ることです。現状を知らないと、何も始まりません。何の対策も打てません。

共に働く人々が何を想い、何を考え、何を感じながら日々仕事をしているのか、ご存知ですか?

 

たとえば、自動車にあとどれだけ燃料が残っているのかを把握していないと、どこまで走れるのか、ガス欠が怖くて走れたものではありません。

中にはそんなこと長年の経験上の感覚で分かる、という方もいらっしゃることでしょう。それはそれで素晴らしいことです。その感覚はぜひ大事にされてください。

しかし、車が2台、3台、と増え、しかも車種が違って燃費も違う、となった場合はいかがでしょうか?もしかしたらその感覚もあてにはできないかもしれません。

 

メーターで可視化を

自動車の燃料は普段タンクの中に入っていて見ることができません。それを可視化して現状を分かりやすく伝えてくれるのが、ガソリンメーターです。メーターのおかげで安心して目的地まで自動車を走らせることができるのです。
人の考えていることや思っていることは、まさしくタンクの中にある燃料と同じで普段は見えません。しかしこれを把握できてこそ、力を発揮してもらえる環境づくりが叶うのです。ですから、ここでもやはり見えないものを見えるようにして把握するためのメーターが必要なのです。

 

見えない人の気持ちを把握するためのメーターには、いくつか種類があります。

・観察

普段の態度や表情などを観察してシグナルを読み取り、そこから判断することは、立派なメーターに違いありません。しかし、これは一方的で主観的なメーターであるため、あくまで「類推」でしかなく必ずしもその読みがあっているとは限りません。

 

・個人面談

では類推するのではなく、直接本人に面と向かって聞いてしまうのはいかがでしょうか。これはかなり良いメーターとなり得ます。と言いますか、うまく機能すれば最も良いメーターではないかと思います。

ただ、時間が取れない、人数が多くて一人ひとりを相手にするのはとても無理、実は人と面と向かって話しをするのが苦手、自分しか話をしない、相手が話してくれない、上意下達で一方的な話になってしまう、すぐ感情的になってしまう、など、人と人とが向き合って話をするわけですから、これをうまく機能させるためには乗り越える課題も多々あります。

※うまく人の話を聞けるようになりたい、という方は話を聞く技術→「傾聴」を学習されてみてはいかがでしょうか。

 

・アンケート

メーターは自分の都合や感情、相手に対する先入観などの自分の色眼鏡でその見方が変わってしまうと意味をなしません。意味がないどころか、誤った情報を取得してしまい、結果、誤った判断をしてしまうことにもなりかねません。

アンケートはその点、出てくる結果を冷静に眺めて事実を客観的に判断する手助けをしてくれます。個人的な感情や先入観のために判断を誤るということはあまりありません。対面ではない分、個々の事情に向き合うことは難しいですが、組織全体としての意識を知るうえでは有効な方法です。また、面談とは違い、匿名性が高いため、より辛辣な意見や耳の痛い話が出てきやすいのも特徴です。

 

アンケートのメリット

アンケートを実施することによるメリットには以下のようなことが考えられます。

面と向かってだと言えない本音を聞ける

時間を気にせず実施できる

衆知を集めることができる

すぐに言葉が出てこない人でもじっくり考えて答えることができる

その場の感情に流されずに聞く(情報を得る)ことができる

先入観なく客観的な情報を得ることができる

継続調査によって施策の効果を知ることができる

より良い組織づくりを目指していることを示す象徴となり得る

 

単なる満足度調査ではない

先にも述べたとおり、アンケートは匿名性が高いため、面と向かって上司にこんなこととても言えない、という内容でも平気で出てきます。つまりそれだけ言いやすい、意見が出やすい方法だということです。始めた当初はおそらく、ほぼ不平不満で埋め尽くされることでしょう。

しかし、それは考え方によってはお客様からのクレーム同様、より良い環境をつくるための宝でもあります。

 

何も出てこないより、不平不満でも出てくるほうが良いのです。何もないと何もできませんが、何かあれば対策が打てるのです。不平不満をしっかりと受け止めて、改善すべきところを改善していけば、必ず良い組織づくりへとつながっていくことでしょう。

 

アンケートで一番避けなければならないことは、「やりっぱなし」です。

やるだけやって、単に満足度を知ってデータ化してそれで終わり。そんなアンケートであればやらないほうがましです。

やるなら最後までやりきる「覚悟」が必要です。

 

つまり、出てきた意見、不平不満にしっかりと向き合って、フィードバックを行うということです。

すぐに改善すること、できないこと、検討すること、などについて丁寧に従業員に伝えていかなければなりません。そこまでやって初めて、アンケートをする意味があるのです。

せっかく答えても何の反応もかえって来なければ、無視されているのと同じです。それだとせっかく働く環境を整えてやる気を高めようと思って実施するアンケートが、逆にやる気を削ぐものになってしまいかねません。

ですから、中途半端であればやらない方がまだましなのです。


実施にはまず何より「覚悟」が必要なのです。